あの山この沢

早戸川鳥屋鐘沢左俣左沢
下部ゴルジュ帯は数限りなく続く小滝群と大滝、
上部で左沢に入ると水量豊かな大滝が現れる

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鳥屋鐘沢出合
今日は水量が多い


F1、8m滝
右から小さく巻く

最狭部の上は
まるで吹割ノ滝状態

一旦、対岸へジャン
プして右岸に戻る

F2,20m大滝
右端の水流を登る

F2の左端の水流
さらに左はツルツル

左壁のルンゼを登る
立木が切り倒された

水量比2:1の二俣
左俣に入る

水量比1:2の奥の
二俣、左沢に入る

3段26m大滝
右から大高巻き

大滝上の3m滝

三俣、真ん中に入る

最奥の二俣、右へ

泥ルンゼになる

急峻な溝状になる

栂立尾根の稜線

1108mピーク

849mピーク

849峰からの下り

732m峰からの下り

コースタイム
早戸川橋手前300m(30分)鳥屋鐘沢出合350m(20分)F1、8m滝上420m
(15分)2段20m大滝上450m(12分)河原になる480m
(50分)二俣2:1660m左へ(15分)奥の二俣1:2730m左へ
(6分)3段26m大滝下760m右から大高巻(12分)大滝上、3m滝下785m
(25分)水涸れる920m(30分)稜線(栂立尾根)1095m
(7分)1108mピーク(7分)1043mピーク→(23分)849mピーク
(15分)732mピーク→(30分)早戸川橋300m(3分)駐車場所

2007年7月28日
★鳥屋鐘沢を遡行する場合、ツメた稜線から旧丹沢観光センターへ一般登山道を下山して舗装された早戸川林道をテクテク歩く予定なら、なるべく出合直近に車を駐車した方が便利だろう。
しかし、本間ノ頭から宮ヶ瀬鐘沢と鳥屋鐘沢の境界尾根、これは旧津久井町(現相模原市)と清川村との町村境界尾根(市村境)を下って早戸川橋に下るなら、早戸川橋手前の広い駐車帯に止めればよい。
先々週の台風の雨があがってからやっと本格的な梅雨になったのか、裏丹沢方面では大雨こそないもののしとしと雨が降り続いたせいで、今日は早戸川の水量が多い。鳥屋鐘沢の出合も早戸川本流の水量が多く、すんなり対岸に渡れず、出合にある大岩の上流側の浅瀬から鐘沢に入った。
★下部の詳細は、「早戸川鳥屋鐘沢」「鳥屋鐘沢左の無名沢」のページを参照のこと。
F1上の最狭部は手前のカンテを登って、登りすぎないうちに右のテラスに移る。そこから最狭部を眺め下ろした後は対岸(左岸)にジャンプして渡って、また右岸に戻る。今日の最狭部上は水量が多くてまるで吹割ノ滝のような様相だ。
F2、3段20m滝の最下段は、最右端に倒木が垂れ下がっているので、ほとんど困難なく登れる。ただし、かなり水は浴びる。
★この20m大滝の左にはトイ状のきれいな滝が流れ落ちている。さらにその左、最左端には水流はないが、水流でツルツルに磨かれたカール状の地形になっていて、とても登れそうにない。大滝上の広場からこの磨かれたカール地形を見下ろせる。
沢が左折するところにかかる深い釜を持った3m滝は、手前の濡れたカンテを登って上部の立木に掴まれば安全圏だったのだが、今年になって誰かによって切り倒された。このカンテを登るための手がかりにするために切り倒して立てかけた状態になっているが、いつかは朽ちて利用はできなくなる。岩の隙間に何年、何十年もかけて育った立木をそのときの登り易さのためだけに切ってしまうとは許しがたいことだ。こんな奴やその仲間が沢に入ってはいけない。いずれ残っている切り株も腐ってしまうだろう。
★小滝の連なるゴルジュ帯を抜けるとゴーロの河原になる。堰堤を4つ過ぎると、およそ20分で二俣となる。左はすぐ上に堰堤が聳える。右も奥に2段の堰堤が見える。水量比2:1で、ここは左に入る。
★この二俣から約15分で奥の二俣だ。途中堰堤2つ越す。奥の二俣は水量比1:2。丹沢観光センターに下るなら、ここは右沢に入るほうがいい。右沢については「早戸川鳥屋鐘沢」のページを参照のこと。
水量の少ない左に入ると、傾斜が増し、
右岸岩壁が立ってくる。沢が左にカーブすると、眼前に両岸垂直に切り立ち、緑に覆われた巨大な滝が聳えている。両岸は確かに岩壁なのだが、なぜか木の葉に覆われて、薄暗いうえに陰湿な感じでなぜか美瀑とはいえない異様な感じがする。しかし、水量も豊かで立派な滝だ。下から見上げると、はるか天空から降り注いでいるように見える。
滝全体では25〜30mぐらいで3段となっていて、最下段は8mで立っているがホールドは豊富だ。中段は少し寝ていて6,7mぐらいはありそうだ。水流でびしょ濡れになってもこの下部2段を登るのは簡単そうだが、最上段はハングしている12mぐらいの滝なので、ここで直登不能だ。ハングした滝から水流が散り落ちる光景はかなりの高さを感じさせる。もう少しアップの写真、日光が木の葉に当たって白く抜けてしまった。最上段の水流は真ん中の奥。
両岸切り立っているので小さく巻くことはできず、少し手前右(左岸)のガレルンゼから這い登ることにする。ガレを登って、上の岩で進路をふさがれるので右から回り込んで大岩上に出て、ここで一呼吸。ここから滝の側にある斜面がどうなっているのか見渡すためにも、斜面上にある根っこだらけの小尾根を目指してトラバース。泥の斜面を滑ると下まで落ちるので注意。
小尾根に乗って上に出ても、まだ落口までは遠い。しかし、もう落口よりも高い位置に来ている。真横への移動は無理なので、もう少し左に斜上する。滑落すると間違いなく40m以上もハングして落下するだろうからかなり怖い。落口上が左下に見下ろせる位置まで来て、徐々に下りながらさらに左にトラバース。
落口を通過した位置まで来れば一安心で、走り下ればよい。落口の上3mぐらいの所に降り立てる。平らな岩棚から真下を見下ろせる位置まで擦り寄るのが怖い。
★大滝のすぐ上には3m滝があるがこれは難なく越せる。
★この後はかなり傾斜のあるゴーロを登る。いつまでも水流が絶えないので暑くても楽だ。なんとなくつるつる温泉系の水質だ。
★三俣は真ん中を進み、水流が涸れるとガレとなって、最奥の二俣あたりから沢は急に泥のルンゼになっていく。
★最奥の二俣を右に入る(稜線を左に行くのだから左に入った方が良かったかも)と、よく締まった泥ルンゼとなるので、ひたすら高みを目指すが、最後は急すぎて登れなくなるので左の小尾根に逃げると、こちらはどろどろに埋まって歩きにくい。獣の踏跡を追ってジグザグに登って、しっかりした獣道を左に追うと稜線に出る。
本間ノ頭から1108mピークに連なる尾根の、ピーク手前コルの少し本間ノ頭寄りに出た。本間ノ頭方面に向かって下るにはまだ150m近く登らないといけない。栂立尾根
(website「誰も知らない丹沢」のオーナーs-okさんの命名)を下ると、一旦下ってほんの少し登り返したところが1108mピークだ。
1108mピークから少し下ってちょっと登ると1043mピークだが、だた広いピークでどこが頂上か分かりづらい。
長細い1043mピークを北に向かって下り、しばらくして市村境界尾根 は向きを真東に変える。ここを直進しないように清川村の境界標を見落とさないように注意。もしも右に曲がるところを見落とし、うっかり直進して真北に伸びる尾根を下った場合は、六百沢出合へ下れる。その下降路は「早戸川六百沢」のページを参照。
★広い尾根を下り尾根が痩せてくると、左は六百沢源頭部だ。最低鞍部付近でやや藪っぽくなるが、登り返すと849mピークとなる。ここは栂立ノ頭(ツガダチ)といわれる。確かに栂が沢山茂っている。
栂立ノ頭で鹿柵が現れる。脚立に乗って鹿柵を越え左に急下降する。直進方向は宮ヶ瀬鐘沢の林道終点付近に下れる。このルートは「鳥屋鐘沢左の無名沢」のページ参照。
鹿柵に沿って鹿柵の中をグングン下り、732mピーク手前のコルで脚立を越して鹿柵から出る。鹿柵に沿って登ったところが732mピークだ。ここは六百沢ノ頭とい うそうだ。
★732mピークからは鹿柵のないきれいな林を真北に向かって下る。しばらくはまだ、市村境界だから、清川村の境界標がある。
広い尾根の660m付近で市村境界尾根は右折するが、ここはまっすぐ真北に向かって伸びる尾根を忠実に下る。分岐は分かりづらいが、まっすぐに下ればよいから、悩み無用。
★標高560m付近から400m付近まで鹿柵があるが、ここは柵の外側を適当に下る。
350m付近まで下ってくると、真下に六百沢出合に向かう舗装林道が見え、コンクリート吹き付けの崖上になる。尾根の末端から右のなだらかな谷へ下ると、確かな踏跡が現れるので、これに従う。少し行くと宮ヶ瀬鐘沢方面に向かう林道上だ。左に鉄パイプで手すりの 付けられた階段があり、これを下ると早戸川橋たもとにドンピタ降り立てた。

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