あの山この沢

丹沢、早戸川太礼沢の雪渓歩き

隣の瀬戸ノ沢の急な雪渓に下って沢を下降

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三段20m滝中段


三段20滝上段

大滝上の小滝群

トイ状8m滝

ゴルジュは続く

5m滝、
右の雪壁を
快適の登る

二俣、右俣に入る

奥の二俣、
右俣は完全に雪
渓で埋まっている

奥の二俣、
左俣は出合では
雪渓が切れている

奥の二股を左に入る
と沢はすぐに雪渓で
埋め尽くされる

最上部稜線直下は
急で雪も落ちている
ので樹林帯を登る

太礼ノ頭のブナ

真東に蛭ヶ岳、
その手前に
白馬尾根の雪原

植生保護柵の切れ
目から瀬戸ノ沢に向
かって一気に降りる

瀬戸ノ沢最上部の急
な雪渓を下り、傾斜
が緩むと水流が出る

コースタイム
林道終点(旧丹沢観光センター)590m(20分)伝道685m
(20分)太礼沢・瀬戸ノ沢出合下降点770m(2分)一太礼沢出合755m
(40分)大滝最下部850m(20分)二股960m(15分)奥の二股1055m
すぐに谷が雪で完全に埋まる(35分)稜線(太礼ノ頭と円山木ノ頭のコル)1260m
(10分)太礼ノ頭1352m(5分)下降点1325m(25分)雪渓末端のガレで水流現れる1135m
(5分)二俣1095m(35分)大岩945m(35分)瀬戸ノ沢出合755m(30分)林道終点

2005年3月27日 (2001年2月3日、2003年2月1日、1999年8月28日)
早戸川林道の終点にあった丹沢観光センターは2004年の9月末で営業を止め、今は閉鎖されている。林道より下にあった事務棟や売店、バンガロー等はすべて撤去され、上から見る限り釣 り堀状にしてあった河原もきれいに元の姿に戻されている。
観光センターが閉鎖されたものの林道は今のところ通行はできる。しかし、はるか手前の「国際マス釣り場」の 所に気の小さい人なら通行しにくいように仮設のゲートが設置されている。今年の冬、幾度かの大雪で林道の側壁が崩壊したり側壁からの落石やらでの危険防止 のためだが、もともとこの林道はちょっとした雨等でも崩れていたのを丹沢観光センターの人達によってある程度維持されてきており、したがって今まで大雪でも通行止めになったことはな かったことから考えると、今後はちょっとした雨風雪で閉鎖されることはありえそうだ。
★終点手前林道の山側にある宿泊宴会棟はまだ残っている。この入口の所にかかっている橋が本間橋で、このあたりに駐車するのがよさそうだ。この先すぐ右下河原に降りていくセンターの私道は大きな岩で閉鎖されているし、その先終点まで数十メートル、岩で路 駐しにくくしてあるので路肩駐車は迷惑だし、唯一Uターンできる車返しに身勝手な釣師が駐車していることが多いので、延々とバックすることになる可能性がある。
★林道終点の車止めゲートを左からすり抜け早戸川を渡ると、すぐに左の山道に入って林道のヘアピンをショートカットして上の林道に出て、10分も歩くと砂利道林道の終点「伝道」だ。
太礼沢・瀬戸ノ沢出合に行くにはここから2通りある。1つは、段差のある伝道沢の橋を渡って本流左岸の踏跡を少し進んで対岸の円山木沢出合に渡り、この後右岸伝いに岩の重なりを乗り越えて行く。但し最後に太礼沢出合の手前で、一旦左岸に渡って(深い)からまたすぐ右岸に渡り返すか右岸を越まで使ってへつるのだが、増水してるときはこの渡渉やへつりが非常に厳しいものになる。「早戸川大滝沢」のページの中段の参考タイム参照
今回は腰まで雪解け水に浸かりたくはないからこのルートはゴメンして、もう1つのルート、早戸川左岸の大滝までのハイキング道(水平道)を行くルートをとった。こちらは迷うことはないが、対岸の出合への下降点は、道が少し崩壊し桟敷で3段つながっている手前に急に下る踏跡がある。樹林の木の葉が落ちている季節なら、対岸が見通せるから迷うことはない。降り立った河岸台地を踏跡にしたがって先端まで行くと、対岸(瀬戸ノ沢出合の数メートル上流)に渡る丸太橋が架けてあったが、今は流されているので、浅瀬を渡るか飛び石をジャンプするしかない。
太礼沢と瀬戸ノ沢の出合はほとんど同じ位置にある。下流側に太礼沢、3〜5m上流に瀬戸ノ沢が入っていて、出合から少し奥まではどこを通っても両沢が見渡せる位置関係だ。
★出合から太礼沢に入るとすぐに残雪が随所に見られるようになった。
★出合からずっと比較的大きな岩の重なる急傾斜の谷をぐんぐん登っていくとおよそ30分で大滝で、ここからしばらくゴルジュが続く。今回は上部雪渓を楽に登るためスパイク付きゴム長で来たため、乾いた岩ではキリキリと、ぬめった岩ではツルンツルンといった感じで滑って、ここまでけっこう時間がかかってしまった。
「3段20m大滝」は、10m大滝手前の3m滝から数えるのだろう。右(左岸)の岩の台地に乗っかり全部を巻くこともできるが、1段目を左から直登すると、大滝の爆風と水滴を浴びながら右に渡り右の濡れた岩を攀じ登って10m滝上に出て、一旦落口にたってから大きな釜を持つ3段目(5m)は小さく巻く。
この上にもすぐに深い釜のある3m滝、2m滝が続く。どれも右側を簡単に越せる。
★小滝群が終わって河原になるとじきに二俣だ。大岩でチムニー状になった右俣に入る。濡れたくなければ、大岩の左側から簡単に上に抜けられる。
★このあたりから残雪はさらに増し、奥の二俣近くでは水流沿いだけ岩が出ている状態だ。歩きやすそうな雪面(雪渓)にルートをとると、随所でズブズブ踏み抜いたり、タックルがかかってりで、意外と疲れてしまった。
★奥の二俣では、右俣は完全に雪渓で埋まっている。左俣もまた少し進むとすぐに谷底は固い雪渓となった。
★もう稜線まで雪渓で埋まっているのだろうと思っていたが、最後の泥の急傾斜のツメの部分は雪が落ちていたので、無理して谷筋をつめないで、かなり急傾斜になってきたところで雪に覆われている小尾根に取り付いて稜線に出た。
★標高差にしておよそ200mほど雪渓歩きを楽しめたことになる。
この稜線(丹沢三峰)からの下山路は幾通りもあるが、今回は雪渓歩きが狙いだったので、ここから太礼ノ頭を越えて瀬戸ノ沢源頭に降りることにした。
今回以外の下山ルート雪の早戸川瀬戸の沢早戸川大滝沢のページ参照)
左の円山木ノ頭→無名ノ頭→本間ノ頭→本間橋が最もポピュラーなルートだが、このルートは円山木ノ頭、無名ノ頭への登りがかなりしんどいので、約2時間。
右の太礼ノ頭→瀬戸ノ頭→大滝分岐→瀬戸ノ沢出合→伝道→本間橋、こちらも約2時間。
太礼ノ頭を過ぎると瀬戸ノ頭との間に明瞭なコルらしき地点はないが、 右側にはずっと植生保護柵が張ってあるので、適当な切れ目から下ればよい。どこから下っても下で一緒になる。
★氷化した雪渓の上に2,3日前に降った新雪が7,8cm積もっているので、その新雪が滑ってゴム長では踏ん張りにくい。最も急な部分は雪渓を避け、立木に掴まりながら木立から木立へとズリ落ちるように走り下って、少し傾斜が緩んだところから雪渓に下りて、あっという間に雪渓末端、標高差にして200mぐらい下ると、雪渓が割れてきて水流が現れた。
★これより下流は太礼沢より残雪が多く、標高945m付近の大岩あたりまでずたずたに割れた雪渓がいたる所あり、小滝に落っこちないよう非常に緊張した。
下降路に使った瀬戸ノ沢については「雪の早戸川瀬戸の沢」のページを参照。

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