あの山この沢

丹沢、タライ小屋沢ヤゲン沢右俣
行者岳へつめて新大日から境沢沿いに下って出合へ

画像をクリックすると拡大されます。


林道の終点

境沢に架かる橋

ヤゲン沢の堰堤

はじめは平凡な流れ

ナメが現れる

最初の二俣
右俣は2条の
滝で出合う

左俣の滝

右俣の滝

所々きれいなナメ
が現れる。ナメの
向こうに8m滝が

F2、8m滝
右の壁から登り、
バンド上をへつる

2m滝

F3、8m滝
右から簡単
に越せる

次の二俣
3:2の水量比で、
左沢が本流だろう

8m滝

8m滝の上段
右の大岩を避け
水流に突っ込む

急峻なゴーロになる

最後のツメ

小尾根は急峻

行者岳手前の崩壊

行者岳の石碑

表尾根戸沢の源頭

新大日

長尾尾根の分岐

道の後半は沢の中

滝をトラバース

コースタイム
掛林道ゲート550m(25分)林道終点(ヤゲン沢出合)695m
(10分)
最初の二俣1:2730m右俣へ(15分)F2、8m滝760m
(7分)次の二俣3:2800m右沢へ(30分)水涸れる940m
(20分)小尾根上1080m(15分)行者岳(表尾根縦走路)1180m
(15分)政次郎尾根分岐点1205m(15分)新大日1340m長尾尾根
(10分)境沢下降分岐点1230m(25分)境沢に降り立つ930m
(35分)ヤゲン沢出合→(20分)林道ゲート

2005年9月11日
水無川のセドノ沢右俣を遡行する予定の山仲間から声をかけられたが、戸沢出合での集合には時間的にしんどいので、右俣をつめると表尾根の政次郎尾根分岐に飛び出すから、そのあたりに裏側から登りつめる沢を遡行して表尾根で合流することにした。もっとも無駄の少ない沢はちょうど行者岳にツメ上げるヤゲン沢だ。
ヤビツ峠越えの県道70号線(清川村宮ヶ瀬〜秦野市落合)は、宮ヶ瀬ダムの最奥でダム湖が終わるとともに道幅も昔ながらの狭いぐにゃぐにゃ道になる。この県道の下に流れる川は、宮ヶ瀬ダムができる前には当然に中津川といっていたが、ちょっとダムに中段はされるものの現在もまだ中津川の愛称で親しまれ、途中に長者屋敷キャンプ場や唐沢キャンプ場など賑わっている。
★この中津川は県道の塩水橋あたりから上流は本谷川と名を変え、橋のすぐ上流で本谷川も右に塩水川を分ける。この塩水橋の1.5kmぐらい手前で中津川には左から布川が合流してくる。ひょっとすると正確には中津川もここから本谷川と名を変えるのかもしれない。
★ヤビツ峠に向かう県道は塩水橋渡ると、左岸から右岸にでヘアピンを描いてUターンして高度を上げ、この布川沿いを走るようになる。布川沿いとはいっても川ははるか100mぐらい下に流れていて、対岸にある大洞キャンプ場への昔の下降点を過ぎ、物見峠方面への通行止めの案内のある林道を分けると、左手の 布川がグングンと迫ってきて札掛となる。
★札掛で県道は右岸に渡るが、国民宿舎丹沢ホームのある左岸沿いの林道を進むと、400mぐらいでこの布川は左右に分かれ、左を藤熊川、右をタライ小屋沢と名を変える。
★タライ小屋沢左岸沿いの林道は丹沢ホームからさらに1kmぐらい先の養魚場までは一般車でも通行できる。ゲート前が少し広くなっているので、ここに駐車することにし、身支度を整え林道を奥まで歩く。
★水量の多い押出ノ沢出合、女郎小屋沢出合を過ぎると舗装路も砂利道に変わり、さらに進むと林道終点となる。タライ小屋沢はここで直角に右に曲がり境沢と名を変え、正面の堰堤のある沢はヤゲン沢となる。新大日への登山道はここから境沢を木橋で右岸に渡って 境沢沿いに続いている。
★ヤゲン沢は堰堤を左から越えたところから遡行開始だ。
★はじめは平凡な河原だが、すぐにナメが現れる。ナメとはいってもツルツルではなく黒く少しゴツゴツした感じだ。
★堰堤から10分も歩くと水量比1:2の二俣だ。ここは「両門の滝」となっている。左俣は三ノ塔を源流としているようだ。奥にも滝が見える。
★右俣の滝7mは、上部は2条だが下部は3条で、このいちばん右の壁を登る。階段状ななっていて見た目ほど難しくはない。すぐ上には岩に挟まれた富士型の2m滝、ジャブジャブ登る。
★左右ともなだらかな植林の斜面の中を進むと、左手に岩小屋がある。あんまり快適そうではない。
★大きなナメを過ぎると8m滝F2だ。この滝は釜が深い。右壁を登ってバンドをへつれば落口に立てる。すぐに2m滝があるが、これはツッパリで登る。
★F3にあたる8m滝は右から簡単に越せる。
★すぐに広い河原となって二俣となる。水量比は3:2、当然ここは左沢が本流だ。今回は急にこの沢に決めたので、ルート図や25000図を用意せず、昭文社のハイキング地図(50000図)だけが頼りだった。この地図だと左沢(本流)は烏尾山に突き上げ行者岳から離れそうに見えるので、早めに枝尾根に登りつくかもしれない が、仲間を待たせてはいけないのでここは右沢に入ることにした。後で調べてみると、やはりここは左沢に入るのが正解で、さらに奥で二俣になるので、そこを右に入れば行者岳に直接登り着けそうだ と分かった。
★右沢に入ると10分もすると8m滝がある。下部は右に回って登り、中段から上のかぶさった岩を避けて水流に足場を求めて這い上がる。
★この最後の滝を過ぎると、傾斜の急なゴーロとなり、右から3本ガレ沢をあわせると水が涸れ、急に源頭の様相になる。
★左右ともすぐ上に尾根が見えるので、右の尾根の急斜面に取り付いて、およそ20分も這い上がると、すっきりした痩せ尾根の上に立てる。この間潅木があるだけで、一切藪漕ぎは無し、快適なツメだ。
★一部大崩壊している痩せ尾根からは、左に表尾根の烏尾山の縦走路、正面から右手には25000図での行者ヶ岳から書策小屋、新大日への稜線が見渡せる。尾根を15分も歩くと昭文社のハイキング地図での行者岳だ。
★行者岳は、山頂には石柱のような小さな石像があるだけのピークだが、昭文社の地図ではここが行者岳となってる。ところが、25000図ではここは単なるピークで、新大日方面に一旦急降下して左に戸沢左俣源頭の大崩れを通過して急登して登り着く1209mピークが「行者ヶ岳」となっている。しかし、こちらのピークには標識も何もなく、すぐ2〜3m先が政次郎尾根分岐点となっているだけだ。
★この政次郎尾根分岐点となっているピークに、予定時刻ジャストに到着。ラーメンを作りながら仲間を待つ。
★ヤゲン沢出合に戻るため、新大日まで表尾根を登って、頂上から長尾尾根を下降する。歩きやすい尾根道を10分も下ると、ヤゲン沢出合方面に下る分岐点に至る。
★しばらくは杉林の斜面を急下降し、いくつか小尾根を回り込んだり小尾根を下降して境沢の左岸に降り立つ。
★一旦右岸に渡ってすぐに左岸にまた戻る。地下足袋だからジャブジャブ流れを渡れるが、登山靴だと濡らさないように歩くのは無理な道だ。
★左岸からまた右岸に渡ると、しばらくは右岸を歩くようになるが、増水していたら多分歩けなくなるだろう。
★左岸に渡り返してしばらく左岸沿いを下ってもう一度右岸に渡ると、滝の落口から桟敷で下ったりする。堰堤が見えると、もう出合は近い。2つ堰堤を過ぎると朝渡った木橋のある ヤゲン沢出合(林道終点)だ。
★この長尾尾根からの下山道はハイキング地図にも出ているが、一般登山道とはいいがたい楽しい道だ。ルートの記載は昭文社の地図が比較的正確だ。25000図ではずっと左岸沿いを通る道のように記載されているが、これはとんでもない間違い。 増水が予想される場合は通らない方がいいかもしれない。

<home       <丹沢top