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早戸川の鳥屋鐘沢は、下部は出合から息もつかせず深い釜を持った滝が連続し、大滝もあって、ヘツリや滝壁登り、ジャブジャブ釜を歩いたりの沢登りの多様なワザを楽しめる沢ですが、出合から約1時間半で下部ゴルジュ帯を抜けると、単調なゴーロとなり堰堤も現れ、沢歩きに飽きてしまいます。
1時間も河原を歩いていくと、水量比2:1の二俣です。ここは水量の多い左俣に入ります。左右どちらもすぐ奥に堰堤があります。
左俣の堰堤2つ目を過ぎると、水量比1:2の奥の二俣になります。
下山路として本間ノ頭から旧丹沢観光センターへの登山道を取るには、この奥の二俣で水量の多い右沢に入る方が手っ取り早いし、本間ノ頭に登頂するのもわかりやすいといえるでしょう。
しかし、本間ノ頭からの下山道がハイキング地図に掲載されていなかった少し昔は、左沢に入るのが普通だったようです。
そこで、今日はこの左沢に入りました。左に入ると傾斜が増し、右岸岸壁がたってくると沢は右にカーブし、眼前に両岸垂直に切り立ち緑に覆われた巨大な滝が聳えていました。滝壁は岩壁には違いないのですが、木葉に覆われていて異様な光景です。下段8m、中段6m、上段12m、全体で26mぐらいの真ん中を白蛇がくねっているように水流が激しく落ちています。
下段はトイ状ですがホールドも豊富で登攀は容易そうです。中段は階段状なのでここも簡単でしょう。しかし下2段を登っても、最上段はハングしてるし側壁も立っているので無理でしょう。写真は何枚写しても、日光が木葉に当たって左岸上部が白く抜けてますが、最上段の水流は真ん中の奥の部分です。
右のガレルンゼを登って、大岩の上からザレた斜面を左へトラバース。滝の高さの倍ぐらいの高さまで追いやられます。スリップすると滝下まで落っこちるので非常に怖い大高巻を強いられました。落口上部を過ぎてから、ザレ斜面を下って落口そばに降り立てました。
すぐ上に3mの滝がありますが、これを過ぎるとひたすら急なゴーロ歩きです。920mあたりで水は涸れ、ガレに変わって、さらに泥ルンゼに変わると稜線はすぐです。
本間ノ頭から北東に伸びる尾根は、鳥屋鐘沢と宮ヶ瀬鐘沢を分ける尾根で津久井町と清川村の境界尾根ですが、通称栂立尾根と言われてます。この栂立尾根の1108m峰上部のコル付近にツメた後は、1108m峰、1043m峰、849m峰、732m峰を経て、732m峰からは真北に伸びる尾根を下れば、早戸川橋にドンピタ降りれます。
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