あの山この沢

丹沢、塩水川弁天沢
本間ノ頭から塩水橋へ至る尾根を一気に下る

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塩水川林道から下降
予定の尾根を見上げる

弁天沢出合
大岩が目印

滝らしい滝はないが
傾斜の急な岩床が続く

水が涸れてもゴル
ジュ状の岩床が続く
巨大
なチ
ョッ
クス
トー
ン滝

このチョックストーン滝
の上からは河原になる

この看板の所から
右の尾根に入る

尾根上半部はブナの
林が綺麗、下草はない

眼下に宮ケ瀬湖、
ダムまで見渡せる

振り返ると右手奥に
丹沢山

コースタイム
桶小屋沢橋400m(2分)塩水橋420m(7分)瀬戸橋450m(23分)出合の対岸610m
(3分)弁天沢出合600m(25分)堰堤8つ目上730m(15分)二俣状、水涸れる810m
(6分)大岩状滝(写真5番目)850m(60分)行き止まりの岩壁1100m
(15分)本間ノ頭〜塩水橋尾根1190m(20分)三峰尾根1330m(2分)本間ノ頭1345m
(1分)本間ノ頭〜塩水橋尾根分岐→(55分)最初のコル790m
(30分)
鹿柵(行き止まり、少し戻って右手(北側)の尾根へ)600m
(20分)桶小屋沢橋真上(落石防護ネットで行き止まり、左の桶小屋沢に下降)(3分)桶小屋沢橋

2001年11月23日
キューハ沢出合まで伸びる本谷川林道や丹沢山登山口の堂平まで行ける塩水川林道は数年前から「不法投棄を防ぐ」という名目で塩水橋から先は完全通行止めである。
★数年前、都会の『自然保護運動』による林道開発反対、車の乗入れ規制の叫びと期を一にして、「不法投棄防止」を看板に県下の山間部の林道通行止めが地元住民の反対にも関わらず一斉に強行されたが、随所の通行止めの林道を歩いて見れば分かることだが、通行止めの奥深くでは今も林道拡幅工事や伸長工事は進められているし、工事関係の物らしき廃棄物は至る所で散乱している。『自然保護=車乗入れ規制』運動とは何だったのか、問いなおしてみる必要があるように思える。結局は行政と工事業者による山の破壊を一般市民の目に触れさせないようにしただけではなかったか。
本谷川や塩水川に入るには塩水橋付近に駐車しなければならないが、土日休日は朝早くから塩水橋付近は満車状態である。1台で2台分のスペースを占める止め方をする輩もいる。
桶小屋沢は、25000図では金山沢と記載されているが、現地の標識では桶小屋沢となっている。
本間ノ頭から塩水橋に伸びる尾根を下る予定であれば、約200m下流の桶小屋沢(金山沢)出合の橋(金山橋ともいう)付近にも3、4台は止められる。丁度ここに降りて来ることになるので、塩水橋にこだわる必要はなかろう。
塩水川林道が大きくヘアピンを描いた後、林道から右下の川の対岸に高さ7〜8m幅10mぐらいの大岩のあるところに沢が流入しているのが見える。これが弁天沢である。ガードレールの切れ目から川に下る。
弁天沢に入るとすぐに堰堤が続く。小さいものも数えて8つある。どれも右から越せるが、6つ目は少々やっかい。高巻き風に堰堤より少し上まで側壁を登るが、堰堤真上のトラバースが悪い。
★堰堤を越すとすぐに最初の二俣。『丹沢の谷110ルート』ではこの手前に6m滝があることになっているが、滝はない。ナメや岩床の河原を進むとまた二俣になり、ここで水は涸れる。
★弁天沢本流は円山木ノ頭と無名ノ頭の中間のコル当たりに突き上げるようだから、この二俣は沢の規模の小さい左に入るべきだったようだ。今回は両岸岩壁状で谷の深い右に入った。
★所々河原状にもなるが、かなり急傾斜のスラブ状岩床が続き、巨大なチョックストーン滝が何か所も現れる。大高巻きもできそうだが、側壁を直登できる。下からは見えない落口が意外とツルンツルンで悪い所もある。
上の写真5番目の滝?は、左の泥壁からトラバースしても行けそうだが、右壁のチョック近くから取りつけば楽。
★最後に、岩で閉ざされたカール状地形になる。正面も登れそうだが、左の極小尾根に取り付き、杉の樹林帯に逃げ込み直上すると、すぐに本間ノ頭から塩水橋に至る尾根に出る。そこは巨大なブナの台地となっている。
左に20分登ると本間ノ頭直下の登山道にたどり着く。『特別保護地区』の看板がある。ここから本間ノ頭までは約2分。下降してきて、塩水橋への尾根に入るにはこの看板を目印にすればよい。
登山道からはずれると始めはただの斜面のようだが、2分も下ると両側が切れ落ちて尾根らしくなる。石楠花群生地を過ぎるとなだらかなブナの林となり、木の間越しに宮ケ瀬湖が見える。
この尾根を下るには、踏跡はほとんど無いが、赤い境界ポールや県の石杭標識が三十数mごとぐらいに打ってあるので、これを見落とさないように下ればよい。下草や藪はほとんどなく、見通しは良い。
★標高970mぐらいのところで、大きな枝尾根が左に派生する。少し右折気味に赤テープや黄テープがあるので見落とさないように。
★赤ポールを忠実に拾って下って行くと、鹿柵に行き当たる。しかし、鹿柵の中に入る入口は見当たらない。この柵の少し手前で、尾根が左右に分かれていて真っ直ぐに下るのが右の尾根なのだが、登り返さないで左の尾根(上部を見上げると右手の尾根)にトラバースしてみると、そちらに赤ポールが続いていた。
尾根は痩せてきて左下に桶小屋沢が見えてくると、もう県道は間近なのだが、高度が下がらないまま県道桶小屋沢橋直上の落石防護ネットの上に達する。ここは下りれないので、左の桶小屋沢に木立に掴まりながら走り下る。眼の前に朝止めておいた車が待っている。
地元清川村の地図では、塩水橋から本間ノ頭への尾根には、橋の直ぐ傍から途中までは道があることになっているが、それらしき道はなさそうだ(地元遭対協の人もそう言っている)。本間ノ頭から下ってきて4つ目の小ピーク(650mぐらい)が岩場になっており、丹沢山を振り返る格好の場所になっているが、そのあたりから鹿柵に行き当たるより手前で右手に下ることになるようだ。ただし、塩水橋から桶小屋沢橋までの県道は崩壊防止擁壁+落石防護ネットが張り尽くされているので、中途半端なところに到達すると県道に降り立てなくなりそうだ。

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