谷川連峰　仏岩から三岩山、阿能川岳

途中の黒檜の大木が生い茂る岩稜地帯の通過に苦労しながらの長い尾根歩き

仏岩トンネル駐車場	駐車場からの至仏山	赤谷越の標識	雄大な小出俣山	鉄塔からの吾妻耶山
鉄塔を過ぎると雪が	鍋クウシ山への登り	尾根筋にも雪庇	天子山直下の雪庇	左端の頂から岩峰帯
岩峰に絡まる黒檜	雪庇を乗越して行く	小出俣山オゼノ尾根	小出俣山は大きい	俎嵓山稜が見える
やっと三岩山が見えた。右端は天神平	三岩山への登り、雪も深くなってきた	三岩山からの阿能川岳（平坦な長い雪庇）	小出俣山の左奥に白い頂の大源太山	振り返ると登ってきた尾根筋と吾妻耶山

コースタイム
仏岩駐車場855m→(40分)赤谷越（仏岩峠）1020m→(45分)鉄塔1125m
→(70分)天子山1390m→黒檜の茂る岩峰帯→(100分)三岩山1568m
（→(20分)阿能川岳頂上1611m→(20分)三岩山）
→(120分)赤谷越→(20分)仏岩駐車場

2004年３月28日
★谷川国境稜線のオジカ沢ノ頭から始まる俎嵓（マナイタグラ）山稜が小出俣（オイズマタ）山で向きを東に変えて山稜がちょうどZ型を形作る下の右端に位置するのが阿能川岳である。Z型の上には赤谷川本谷が、下には谷川本谷が食い込んでいる。
★阿能川岳には、昔は谷川温泉から登るのが普通だったようだが、今は仏岩トンネルができ道路も整備されたので、こちらの駐車場から登るパーティのほうが多いようだ。
★しかし距離は長いの一言、おまけに天子山から三岩山の間にある黒檜の大木の覆い茂ったミニ岩峰群（岩稜地帯とは言いづらい）の通過には気を使うし体力もいる。
★スタートの仏岩トンネルの水上側出口には、２０台ぐらい止められる立派な駐車場があり、東屋まである。トイレもあるが、冬場は使えない。水場も直ぐそばにある。ほんとにきれいな水なのかどうかよくわからないが、飲んでも大丈夫だった。
★この駐車場に前日夕刻、山仲間計８人が集合。東屋にブルーシートを張り、約５時間もの宴会。ちょうど仏岩稜線コルからの吹き下ろしで相当に冷え込んで、いくら飲んでもあったまらない。膝や足先が冷え切り、お開き。放射冷却で冷え込んだ夜だった。
★翌朝、前日に引き続き快晴。東屋脇から植林帯に入り積雪20cm程度の圧雪のジグザグを何回か繰り返すと直ぐに赤谷越だ。途中小尾根に出たところで、仏岩の由来の仏の形をした岩峰が樹林越しに見えた。赤谷越からは、直ぐそばなのに見えにくい。
★ここからいよいよ長い尾根歩きだが、鉄塔付近までほとんど尾根には雪がなかった。かすかな鉄塔巡視路をたどってピークをいくつか巻き、藪を漕いで、鉄塔に辿り着く。ここは草木が刈ってあるので見晴らしがいい。ここからやっと期待の雪の尾根歩きだ。
★尾根が痩せたところは東の阿能川側にかなり大きな雪庇が張り出している。地図にある「山」と名付けられたもの以上にピークがいくつもあって、また標識もないから、いつどのピークを踏んだのか分からなくなってくる。このピークがどれもこれも尾根に沿って雪庇が張り出しているのだ。さして困難ではないが何度か雪庇を乗越すと、天子山らしい。この天子山もこの後岩峰帯が現れたので、さっきのが天子山かと分かる程度だ。
★いよいよ岩峰帯となる。岩稜ではない。確かに岩峰のように大岩が尾根のてっぺんに切立っている。しかしそこには必ず檜の大木が絡みつくように生えている。少し岩をくぐり登ったあと決まって３～１０mの急降下となる。さして積雪がないので、岩肌や木の根っこを掴みながら下降することができたが、もっと積雪が深かったら相当困難になりそうだ。２ピークは東側を巻けた。
★三岩山の頂上から見まわすと、西側の小出俣川の対岸に位置する小出俣山オゼノ尾根にも1450mぐらいのあたりに岩峰があって、こちらの尾根よりももっと太い黒檜の森を形成しているが、よくよく見渡すと、ほかの尾根や稜線にも同じくらいの標高のところが疎林ではなく黒々と密生した森になっている。積雪で地肌が真っ白なので、顕著な樹層として確認できる。侵食前の地層が同じ位置にあるんだろうか。
★岩峰群を過ぎると急に視界が広がって三岩山だ。ここは丸い頂上で、360度の展望が利く。
★昨夜の底冷えの中の宴会がたたって、この冬痛め直りかけてた膝がギシギシコクンコクンと泣き出し、しっかり踏ん張ると激痛が走るので、同じルートをまた登ったり降りたりしながら下ることを考えるともう限界だろうと諦め、もう目と鼻の先ほどの距離の阿能川岳には仲間７人だけで行ってもらうことにし、１人残り三岩山頂上で仲間の荷物の見張りと決め込んだ。
★阿能川岳までにはまだ小ピークが２つあるが、頂上目指す仲間をずっと見渡せる疎林帯の登りだ。頂上の人影は三岩山からも良く分かり、頂上からは南の阿能川側に雪庇が張り出している。
★雪も少し腐りかけ、スノーシューで快適に走れたそうだ。
★登るときは岩峰の下降に緊張するところがいくつかあったが、下りとなると今度はその登りで大変なところとなるが、もう気分は下山、さして緊張することもなく、登り返しのピークも気が付かないうちに赤谷越に辿り着いた。もうここからは一気に駐車場に駆け下りて、乾杯。