あの山この沢

八ヶ岳 阿弥陀岳中央稜
夏は中間部カヤトの草原と上部の岩稜 が、
冬は急な雪原と上部雪壁・雪稜が楽しいバリエーションルート

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林道に雪はなかった

二俣にも雪はない

尾根上からの南稜

南稜、真ん中がP3

雪のないカヤトの尾根

下部岩壁、基部から

岩壁上からの南稜

上部岩壁、基部から

最上部岩稜の急斜面

最上部岩峰奥が頂上

下るころは雪稜に

上部岩壁の末端

上からの下部岩壁

カヤトの原も雪景色

雪林道も銀世界に

参考タイム
舟山十字路1620m(35分)林道終点(堰堤下)1790m(25分)二俣台地1900m
(35分)中央稜取付点2030m(35分)尾根上2180m
(15分)
尾根末端からの道と合流(入中山のピーク)2255m(60分)下部岩壁帯基部2450m
(25分)下部岩壁帯の上2520m(30分)上部岩壁帯の上2620m
(40分)最上部岩峰直下2760m(15分)阿弥陀岳北峰(西ノ肩、摩利支天)2780m
(70分)下部岩壁帯基部→(30分)尾根末端への道と分岐→(30分)広河原沢の河原
(25分)二俣→(15分)林道→(25分)舟山十字路

2004年12月29日
★この阿弥陀岳中央稜は過去2度登ったことがある。はじめは最上部が薄っすら雪化粧した晩秋、次はたっぷり雪に覆われ、中間部カヤトの稜線で腰までのラッセルに終始した2月半ばのころ。あまり雪が多いと岩壁帯のトラバースに一苦労するので、今回はまだ積雪の深くない時期を狙ってみた。
★前回は好天気に恵まれ、背後に諏訪盆地のすばらしい眺め、前方には南稜や奥壁、御小屋尾根を眺めての登山だったが、カメラを忘れて行ったので、どうしても冬にもう一度登ってみたかった。
★ところがところが、この冬は暖冬のせいか降雪が少なく、雪を踏みしめてのというよりは、はじめのうちは雪のない凍った地面を踏みしめての登山となった。幸いにして歩き始めよりずっと雪が降り続いたので、後半、上部では (下ってきても)それなりに雪山を楽しめはしたが、、、。
★舟山十字路に車を止め身支度を整えはじめたら雪が降りだした。例年なら考えられないほど、このあたりは積雪ゼロだ。前回はこのあたりは20cmぐらいコチコチに凍ったアイスバーンとなっていたというのに。以前年末年始の山行で阿弥陀岳南稜を目指してここを通ったときもこんなに雪がないことはなかった。
十字路とはいうものの、今の林道は立場川側から来た林道とのT字路で、学林のほうから別荘地を通りぬけてくる山道は見当たらない。学林から来る場合、結局は別荘地を 迷いに迷ったあげく横切って、この舟山十字路に登ってくるほぼ一直線の林道の途中に出て、林道をとぼとぼ歩くことになる。
★その十字路から林道をさらに奥に向かって進むとすぐに立派に作り直されたゲートがある。ゲートの横を潜りぬけてさらに進むと、水量がチョロチョロの広河原沢を堰堤で渡って阿弥陀岳南稜に取り付ける踏跡がある。ここは、舟山十字路から立場川に下って幅広い流れの立場川を飛び石伝いに渡って、旭小屋の裏からジグザグに取り付くルートのちょうど反対側に当たる。
★南稜(立場山)への道を過ぎると、林道は堰堤にぶつかる。林道そのものは、ここからさらに左の山へ細くなって伸びているが、広河原沢沿いに進もうとすると、ここが終点だ。
★水流のない堰堤下を左岸に渡り、二俣までずっと左岸のしっかりした道を行く。
広河原沢の二俣をほんのちょっと過ぎて、したがってほんのちょっと右俣に入って右岸に渡る。ここが二俣の台地になっている。中央稜の末端で、所々カヤトの草原になっている。積雪が多ければ、広々した格好の幕営適地だ。
★二俣に今回はほとんど雪がない。ここに来るまでの道も、今降っている雪で凍った地面が薄っすら白くなっているだけで、踏むたびに滑って歩きにくい。
二俣から右俣に入って、右岸の樹林帯をしばらく行くと左岸に渡り、両岸が狭まって右岸からのルンゼの落ち込みを過ぎると再び右岸に渡る。ここが中央稜への取付点だ。河原には水流がないから、もう少し積雪があれば河原そのものを歩けばよい。今回は一日中雪が降っていたので、帰路では結局この川床を歩いた。
★斜面につけられたジグザグ道を登ると眼前が開けて尾根上に出る。中央稜の枝尾根のようだが、南稜の青ナギのコルが目前に見える。
★なだらかな小尾根をまっすぐに登っていくと、左からの黄テープが合わさる。ここが入中山のピークらしいが、ピークといえるような下りはこの後にはない。左からのルートが中央稜末端からの道だ。この道は、無積雪期であれば結構しっかり踏跡が分かるしっかりした道だが、樹林をかき分けたり結構わずらわしい。
ここから下部岩壁帯基部までは背丈の低い樹林とカヤトが交互に現れ、積雪が多ければ急ではあるがほとんど雪原状態なのに、今回はせいぜい靴の甲が埋まる程度の降雪で、振り返ってもほとんど景色はなく、樹林のかき分けにドッと疲れた。足元は数センチの雪で踏跡は見えず、降雪で枝は垂れ下がり、樹林をかき分ければ雪がドサッと頭や首に落ちてきて、いいかげんイヤになるころ岩壁基部に着く。
カヤトの原から何度も見えていた下部岩壁は、基部を右から巻く。無積雪期は踏跡もしっかりしていて迷うこともないが、降雪直後は赤や黄のテープも隠れてて分かりづらい。前回の大雪 直後のときはここがいちばん大変で、背丈を越す雪の急斜面のトラバースになった。越までもぐりながらのラッセルと、かろうじて覗いている樹林に頼るとブスッと埋まり体力の消耗との戦い であった。
基部を回りこんで、左手の岩壁が切れたところで急な斜面を登れば、下部岩壁帯の上に出れる。雪が多いと、ここは雪壁になり、上に出る所は少し雪庇状だ。無積雪期に来たときには確かロープが垂らしてあったと思うが、今回は少ないとはいえもう雪の下 なのか、それらしきものは分からない。
★しばらく樹林帯を急登すると、上部岩壁帯の基部辺りに達する。尾根そのものに対しては下部岩壁ほど岩が屹立してるわけではないが、右側は広河原沢本谷側に垂直に切れ込んでいる。
ここは岩壁基部のダケカンバの急斜面を左にトラバースして左俣側に出る。下部岩壁の基部のようにバンドがしっかりあるわけではないので、このトラバースは緊張するところだ。左に回り込んだら、広河原沢左俣を見下ろしながら、ダケカンバの幹や枝を掴んで痩せた尾根上に出る。ここが上部岩壁の末端だ。
ここからはもう背丈を越す樹林はない。森林限界だ。十数メートルほど傾斜のない痩せた雪稜を進むと、右側は広河原沢本谷(奥壁)の断崖、左は広河原沢左俣の上部ハイマツ帯の急斜面だ。夏道はハイマツ帯に所々ジグザグを描きながら高度を上げていく。雪が完全にハイマツを覆えばどこでもたやすく歩けて楽なのだが、今回はまだ完全には雪稜や雪壁にはなりきらなくて、アイゼンをつけての小さな石ころや粉雪を被った岩の登下降にはかなり疲れた。
★雪稜になりきらない急斜面を登って、もう右正面には南稜のP4や阿弥陀山頂を目前にして最後の岩峰の下を回りこむと、左から御小屋尾根の夏道が合流する。このすぐ先が阿弥陀岳の北峰とか西ノ肩とか呼ばれる摩利支天だ。今回は、時間も気になったので、ここで登頂ということにして、同じルートを引き返した。
2805mの阿弥陀岳頂上へは、摩利支天から一旦下ってハシゴを渡って登り返せば約10分で着く。
★今回は最上部にいた時間帯が降雪もいちばん強く、一面ガスでほとんど景色はなく、そのかわりこの雪のおかげで多分この日まではもっと雪のなかったに違いない雪稜になりかけの斜面も、完全に真っ白になった。下りでは数分・数十分前の踏跡も消えていたが、降雪量が少ないので、相変わらずアイゼンは石や岩、ハイマツを踏みつけ、足首や膝がガクガクになってしまった。 
◎無積雪期参考タイム(1997年11月2日)  舟山十字路→(40分)林道終点→(16分)二俣→末端脇から尾根に取り付く(55分)入中山のピーク→(30分)下部岩壁 帯基部→(11分)下部岩壁帯上→(11分)上部岩壁帯の上→(40分)最上部岩峰直下→(5分)摩利支天→(10分)阿弥陀岳頂上
◎多雪期参考タイム
(2003年2月15日)  舟山十字路から広河原沢右俣の取付点、小尾根上までの時間はほとんど今回と変わらない(雪が多い分かえって少し速い)が、尾根上からは各区間とも倍以上の時間がかかっている。 ほとんど人が入らないので、ワカンがあったほうがいい。 多雪期のポイントは下部岩壁のトラバースと上部岩壁への雪壁の登りだろう。
★今回は同じルートを引き返して下山に約3時間半かかったが、無積雪期に御小屋尾根を使うと舟山十字路まで約2時間半で下れる。
無積雪期参考タイム(1997年11月2日)  阿弥陀岳頂上→(60分)不動清水→(30分)美濃戸分岐→(23分)虎姫神社→( 5分)林道→(20分)舟山十字路

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